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短編詳解第1回

小林敏樹氏作(詰パラ1987-06 短編競作展)
この「短編紹介」は、惜しくも賞を逃した無名の受賞級短編を、できるだけ解りやすく紹介しようという企画です。初回ということでどの作品にしようか悩みましたが、短編競作展で、赤羽氏作の不詰によって繰上げ首位になった、小林氏の7手詰を紹介したいと思います。

図は▲53角まで左下に逃げられては詰みそうにない形なので、とりあえず53から角を打ってみます。考えられる応手は△66玉△64合△85玉△74玉の4通り。順番に調べてみましょう。

図は▲35角成までまず、△66玉は、▲33馬△57玉▲35角成(図)まで5手でぴったり詰みます。また、△64歩合は▲同角成△同玉▲65金以下7手駒余りで詰みます。

図は▲65角成まで残るは△74玉と△85玉ですが、△74玉は▲84金以下簡単。△85玉には▲86金△74玉に▲65角成がぴったりで、△63玉▲64角成以下11手で詰みます。

ここで何かがおかしいことに気がつきます。すなわち、7手詰なのに2手目△85玉と逃げられると、詰めるのに最短で11手を要するのです。
このような「詰みすぎる」状況では、それぞれの変化の応手を再確認することが問題解決の近道です。実は、ここまでの変化の「読み」に1箇所見落としがあるのです。

図は△44歩合まで早詰と即断した2手目△66玉の変化に、△44歩合という妙防がありました。▲同角成では75に逃げられてしまうので▲同馬の一手ですが、そこで△57玉と入られると、▲35馬△66玉▲44馬△57玉…と連続王手の千日手に陥ってつみません。

「詰みすぎ」が一転して「詰まない」状況になってしまいました。

ところで、この△44歩合とはどういう応手なのでしょうか。△44歩合を省くと53の馬が35にきて、5手で詰みました。しかし44歩合とすることで、33の馬が邪魔をして53の馬が動けなくなりました。つまり、△44歩合は2枚の角の利きを重複させる手なのです。これを解決するためには、初手に角の場所をよく考えなければなりません。

図は▲31角までいよいよ解決編です。2手目△66玉の変化で、33の香を取った馬は66に利いていましたが、そこでもう1枚の角を53~35のラインで動かそうとすると、前述のように44歩合を食らって失敗しました。よって、初手はこれを避ける▲31角!。これで△66玉の変化は▲33馬△57玉(合駒は無意味)▲13角成で詰むようになりました。△64歩・△74玉の変化は前述のように詰みますし、△85玉は、▲86金△74玉▲65馬△同玉▲75角成と逆に2手短く詰みます。(先程11手掛かったのは角が53にいて玉が52に行けたから)

図は△42歩合までこれにて解決…と云いたいところですが、最後に確認しておかなければならないのがこの△42歩合(△53歩合)です。これを▲同角成と取ると、△66玉と逃げられて詰まなくなってしまいます。
しかし、これには▲同馬が好手。2枚馬の威力は絶大で、どこに逃げても簡単に捕まることを確認して下さい。

こうして、ようやく作意が▲31角△85玉▲86金△74玉▲65馬△同玉▲75角成だと判りました。"「利きの重複を狙う合駒」を避ける遠角"という構想もさることながら、43馬・33香だけで成立している変化処理が素晴らしい傑作でした。ちなみに当時の評価はA77 B18 C2 誤解20 無解13の平均評点2.83でした。
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